ひと夏のキセキ
「絢ちゃんには敵わないなぁ」


「ふふっ。一度遥輝と話してみたらどうですか?私はふたりに仲良くしてほしいです。仲良くとまではいかなくても、せめて今みたいなバチバチな関係は解消してくれたら気が楽です」


「そうだねぇ…。考えとくよ」


少しでも関係が改善されたらいいなぁ。


遥輝と先生が鉢合わせないように気を回すのも大変だし、ホントに気まずいんだもん。


遥輝があからさまに不快感を示すから迂闊に話題も触れないし。


「で?だいぶ話逸れだけど本題は夏祭りだっけ」


「あっ!そうでした。危な〜い。許可貰い忘れるところでした」


ついうっかり親子関係に口を出してしまったけど、本来の目的は夏祭りだった。


「まぁ許可するとは言ってないけどね」


「え〜ダメですか?」
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