ひと夏のキセキ
「少なくとも絶対に夏ではないと思う」


「なんで?」


「だって爽やかなイメージないもん」


「はぁー?失礼すぎだろ」


「爽やかの対極だよ、遥輝は」


「てめー」


「ふふっ。嘘々。ホントは何月なの?」


「……8月」


「えぇっ!ごめん!」


思わず爆笑してしまい、ペチッとおでこを叩かれてしまった。


「痛っ!」


「痛くねーだろ」


「痛かったもーん」


「……ほんとガキみたいだな」


呆れたように失笑する遥輝。


それすらも絵になっている。


「歳が1個違うだけでこんなに違うもんかってぐらい子供っぽいよな、お前は」


「あ、私が爽やかじゃないって言ったから反撃してるの?」


「……お前うぜーー」


いつもクールでスマートな遥輝が困ってるところを見るのが好き。


だからついついからかってしまう。
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