ひと夏のキセキ
「だから1回顔上げろって。そんなに俯いてたら首痛めるぞ」
「…遥輝が帰ったら顔上げるね」
「ったく。お前はホントに頑固だな」
口では呆れたふうに言ってるけど、頭を撫でる手は優しい。
そんなことされたら泣いちゃいそうだ…。
「遥輝もなかなか頑固だよ…。だって絶対帰らないでしょ…」
「よく分かってんじゃん。このまま話が終わるのはお互い嫌だろ?」
「…そうだけど……」
私は、どうするのが正解なんだろう。
遥輝は今何を考えてるんだろう。
「……さっきの発言、なかったことにしてって頼んだら遥輝はどうする?」
「理由を聞く」
「…真意を話す勇気がないって言ったら?」
珍しく遥輝が黙り込んだ。
鉛のように重くて嫌な沈黙が流れる。
「…遥輝が帰ったら顔上げるね」
「ったく。お前はホントに頑固だな」
口では呆れたふうに言ってるけど、頭を撫でる手は優しい。
そんなことされたら泣いちゃいそうだ…。
「遥輝もなかなか頑固だよ…。だって絶対帰らないでしょ…」
「よく分かってんじゃん。このまま話が終わるのはお互い嫌だろ?」
「…そうだけど……」
私は、どうするのが正解なんだろう。
遥輝は今何を考えてるんだろう。
「……さっきの発言、なかったことにしてって頼んだら遥輝はどうする?」
「理由を聞く」
「…真意を話す勇気がないって言ったら?」
珍しく遥輝が黙り込んだ。
鉛のように重くて嫌な沈黙が流れる。