ひと夏のキセキ
悔しい…。


今日もずっと遥輝のぺースだ。


でも、それが好き。


好きだよ、遥輝。


ギュッと手を握り返す。


すると、さっきとは違った優しい笑顔で応えてくれた。


そこで一際大きな花火が上がる。


赤と緑の花火が次々と打ち上がっては散って消えていく。


「あー、やっぱりお前のこと好きだわ。一生離したくない」


「え?ごめん、なんて言った?聞こえなかった」


「なんでもねぇ。さっさとりんご飴買って車戻るぞ」


「えー、教えてよぉ」


なにか大事なことだったんじゃないのかな。


なんだったんだろう?


「ほら、りんご飴どれがいい?好きなの選べよ。いちご飴も売ってるし、ぶどう飴もあるし」


「話逸らさないでよー…」
< 181 / 353 >

この作品をシェア

pagetop