ひと夏のキセキ
「関係なくないでしょ?実際、遥輝くんと出会わなければ絢は祭りに行きたいなんて言わなかったわ」
「そうだね、言わなかっただろうね。でも、ずっとずっと思ってたよ?お祭りに行きたいって。健康な皆みたいに普通の人生を送りたいって。遥輝はそんな私の思いを叶えてくれただけ。お母さんたちが抑え込んできた私の気持ちを、遥輝だけは尊重してくれた。遥輝は私にとって救世主なの!悪く言うのはお母さんでも許さない」
「救世主?バカ言わないで。遥輝くんのせいで絢は倒れたのよ!」
「遥輝のせい?何それ。なんで遥輝を悪者にするの?遥輝は何も悪くない!遥輝だけが私の気持ちを分かってくれる!遥輝だけが私を“私”でいさせてくれる!自分に素直でいさせてくれる!お母さんは私を抑えつけるだけじゃない!外出しちゃダメ、学校に行っちゃダメ、外泊しちゃダメ!そんな人生楽しくない!私の人生は私のものだよ!!好きに生きる権利がある!この気持ち、健康に生まれたお母さんには分かんないよね!?だから私から自由を奪うのよ!」
我慢していた気持ちが塊になって一気になだれ込む。
もう抑えられなかった。
「遥輝は私に言ってくれた。私がやりたいこと全部叶えてくれるって。お母さんにそれができる?できないでしょ。遥輝と過ごす時間は本当に楽しくて、生きてるって感じがする。それは病室に閉じ込められてる時には感じられないもの。遥輝は、お母さんが私から奪ったかけがえのないものを与えてくれる。私は遥輝がいるから生きてるの。こんなしょうもない人生、最後くらい色があってもいいじゃん。なんでそれすらも奪おうとするの?私から全部奪っておいて、最後の楽しみすらも奪おうとしないで!」
「すべてを奪う…?」
お母さんの声が震えていることに、私は気づかなかった。
「全部全部お母さんのせいだよ!!お母さんが私をこんな身体に生んだからっ!!」
「絢!!」
「そうだね、言わなかっただろうね。でも、ずっとずっと思ってたよ?お祭りに行きたいって。健康な皆みたいに普通の人生を送りたいって。遥輝はそんな私の思いを叶えてくれただけ。お母さんたちが抑え込んできた私の気持ちを、遥輝だけは尊重してくれた。遥輝は私にとって救世主なの!悪く言うのはお母さんでも許さない」
「救世主?バカ言わないで。遥輝くんのせいで絢は倒れたのよ!」
「遥輝のせい?何それ。なんで遥輝を悪者にするの?遥輝は何も悪くない!遥輝だけが私の気持ちを分かってくれる!遥輝だけが私を“私”でいさせてくれる!自分に素直でいさせてくれる!お母さんは私を抑えつけるだけじゃない!外出しちゃダメ、学校に行っちゃダメ、外泊しちゃダメ!そんな人生楽しくない!私の人生は私のものだよ!!好きに生きる権利がある!この気持ち、健康に生まれたお母さんには分かんないよね!?だから私から自由を奪うのよ!」
我慢していた気持ちが塊になって一気になだれ込む。
もう抑えられなかった。
「遥輝は私に言ってくれた。私がやりたいこと全部叶えてくれるって。お母さんにそれができる?できないでしょ。遥輝と過ごす時間は本当に楽しくて、生きてるって感じがする。それは病室に閉じ込められてる時には感じられないもの。遥輝は、お母さんが私から奪ったかけがえのないものを与えてくれる。私は遥輝がいるから生きてるの。こんなしょうもない人生、最後くらい色があってもいいじゃん。なんでそれすらも奪おうとするの?私から全部奪っておいて、最後の楽しみすらも奪おうとしないで!」
「すべてを奪う…?」
お母さんの声が震えていることに、私は気づかなかった。
「全部全部お母さんのせいだよ!!お母さんが私をこんな身体に生んだからっ!!」
「絢!!」