ひと夏のキセキ
「答えが出るまでは恋人でいてほしい…」


「…うん」


「じゃあ…このペンダントは私が持っておくね」


今度は返事がなかった。


その代わり、強く強く抱きしめられる。


「もー…痛いよ…」


「…もうどこにも行くな」


「先にいなくなったのは遥輝でしょ?私はどこにも行かないよ。ずっとここにいる」


弱々しい遥輝の背中を撫でる。


愛おしい。


心の底からそう思った。


離れたくない。


ずっとそばにいたい。


遥輝のことは私が支える。


もうすぐ死んでしまうのは、逃れられない事実。


だけど、それまでの間は私が遥輝を支える。


過去のトラウマから救い出す。


そしてそれが私が“遥輝と共に生きた証”になる。


一緒に生きよう、遥輝。


私はずっとずっと遥輝と一緒に生きたいよ…。

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