ひと夏のキセキ
分かるのは遥輝に何か起こっているということだけ。


「ごめんね、絢ちゃん。意味分かんないよな」


「うん…。どうしたの？何があったのか知りたい」


知らなきゃいけない。


遥輝を傷つけているのは私。


出会ったときから遥輝を拒絶していればきっとこうはならなかった。


付き合っててもお互い傷つけ合うだけだと初めから分かっていたのに気づかないフリをした私が悪い。


だから知る義務があるし、一緒に背負う責任がある。


「詳細は言えないんだけど、葵が遥輝に突っ掛かって、遥輝がついにブチギレた感じ。あぁ見えて穏やかな遥輝が見たことないぐらい感情露わにしててさ。今相当しんどいんだろーなぁって」


「その時に葵を怪我させたの？」


「うーん。先に手を出したのは葵だからね。やめさせようとして怪我させちゃった感じ。んで俺は二人を止めようとして葵にやられた」


葵が…。
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