ひと夏のキセキ
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車の中は重苦しい沈黙に包まれており、プラネタリウムに着いたときには解放感すらあった。
気乗りしなかったはずのプラネタリウムが逃げ場のようになっている。
お母さんとはこんなはずじゃなかったのにな…。
でも、私がいけないんだよね。
私のせいで皆を不幸にしちゃうんだ…。
「じゃあ、私は車で待ってるから。行ってらっしゃい」
「うん…。送ってくれてありがとう」
プラネタリウムの入口の前で、神田先生と合流。
お母さんは弱々しい表情で車に戻ってしまった。
お母さんの背中…あんなに小さかったっけ…。
髪の艶もなくて、背中も少し丸まっている。
遥輝ん家の親子関係より、修復すべき親子関係があるのにね。
私、何してるんだろうね。