ひと夏のキセキ
「最近、寝れてねーの?」


「え…?なんでわかるの…?」


遥輝の言う通り、最近はなかなか寝つけない。


朝方になってようやく眠れるといった感じだ。


遥輝にはそんな話してないのに…。


「メッセージが夜中に返ってくるから」


「あ…そっか…。ごめんね、夜中に」


眠れなくて、誰かと話したくて、助けを求めたくて、遥輝にメッセージを送ってしまう。


「なんか悩んでんの?」


…もっと自由に生きたい。


どうして私は箱の中に閉じ込められた人生しか送れないの?


私、何か悪いことした…?


どうして私なの…?


「…私、もっと自由に生きたいよ…」


「…自由ねぇの?」


「うん…。あんまり外にも出れないし、学校にも行けないし…。ずーっと入院してるからね…」
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