ひと夏のキセキ
遥輝と過ごした日々は青鮮やかで輝いていて、眩しかった。


毎日メッセージのやり取りをして、会いに来てくれて。


くだらない話も、重たい話も、遥輝とだからできた。


私にしか見せないクシャッとした笑顔が好きだった。


頭を撫でてくれたり、ギュッと抱きしめてくれたり、たくさん愛してくれて嬉しかった。


戻りたいだなんて私が言っちゃいけない。


これは私が選んだ道。


遥輝の意見を聞かず、私が一人で決めたこと。


もう戻れないし、これが正解なんだと思わなきゃいけない。


遥輝がこれから先の長い人生を、幸せに生きてくれたらそれでいい。


その幸せに私が存在してなくてもいい。


遥輝…元気かな。


今頃どうしてるかな…。
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