ひと夏のキセキ
そして、リストの1番下に新たな願いが書き加えられていた。


✓遥輝を幸せにする


「…あいつ……勝手すぎんだろ…」


ふざけんな…。


勝手にチェックマークまで入れやがって。


「絢はどこだよ。頼むから会わせてくれ」


「どうしても会いたくないって言ってた。後悔しない?って聞いても、会ったほうが後悔するの一点張りだったし」


…だめだ。


こいつじゃ話にならない。


こんな奴に期待した俺がバカだった。


「もういい」


別の方法を考えるしかない。


「ちょっと。諦めんの?」


「そんなわけねぇだろ。どうにかする」


他に頼れる人といえば、絢の両親ぐらいか…。


祭りの時以来連絡は取ってないぶん、連絡するのは気が引けるけど…そんなことを言ってる場合ではない。


「…絢ちゃんはもうすぐアメリカに行く」


「………は…?」


突然投下された言葉は、到底理解できないものだった―
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