ひと夏のキセキ
「いいの??」


ほんとに優しいなぁ…。


葵が冷たいって言っていたけど、そんなイメージはできないくらい優しい人だ。


「じゃあ遥輝が好きな漫画がいいな」

    
「なんで?お前が好きなやつでいーじゃん」


「ううん、遥輝が好きなやつじゃないとだめ」


遥輝の好みがどんなものなのか知りたい。


じっと遥輝の顔を見つめると、遥輝はわかったわかったと頷いてくれた。


「やったぁ!明日楽しみにしてるね!」


「おう。じゃあな。また明日来るから」


遥輝は柔らかな笑顔と香水の甘い香りを残して去っていった。


遥輝と直接話せた喜びで胸がいっぱいだ。


明日も会えるなら頑張れる。


遥輝に会うために頑張るんだ。
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