ひと夏のキセキ
因縁
「はぁ?だから違うっつってんだよ。バカじゃねぇの」
「うるせー。そんな悪態ついてたら絢に嫌われんぞ」
「だいたいお前に教えるとは一言も言ってねぇんだよ。邪魔すんな」
病室にて。
昨日の今日でさっそく勉強会を開いてくれた遥輝だけど、葵の乱入でなんだか不機嫌だ。
「な?言ったろ?コイツは見かけによらず独占欲が強いって」
葵がニヤニヤしながらウインクしてくる。
「うるせぇな。…で、絢は?できた?」
「うん。これで合ってる?」
答案を見せると、遥輝はグッと距離を詰めてノートを覗き込む。
サラサラの金髪が目にかかり、切れ長の目がより色っぽく映る。
「いーんじゃね?上出来上出来」
微かに遥輝の口角が上がった。
その仕草がカッコいい…。
ホント、綺麗な顔してるなぁ…。