ひと夏のキセキ
「絢は知らないと思うけど、コイツ学校行かないクセにテストは毎回1位なんだよ。1番嫌われるタイプだな」


「えっ、そうなの？すごいね」


教え方も分かりやすいし、地頭が良いんだろうなぁ。


「俺の話はいいから。んなことより、お前はいつ退院すんだよ。早く退院しろ」


そういえば、いつもこうやって話題を変えて、あんまり自分の話はしてくれないな…。


だから遥輝のことはほとんど何も知らない。　


ホントはもっと知りたいんだけどな…。


「あんたがそんなだから、絢が寂しそうにしてるよ」


「え？なんで？」


怪訝そうに私を見る遥輝。


「余計なこと言わないでよぉ…」


もう…。


変な奴って思われたらどうしよう。


遥輝のことが知りたいって思ってるけど、知られたくないから何も話さないのかな。


だったら聞かないほうがいいよね…。
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