ひと夏のキセキ
…っ!?


なんか、今日の遥輝はいつもと違う…?


これじゃ心臓がもたないよ…。


「赤くなってんのも可愛い」


「もっ、もうやめてよっ」


「いーじゃん、事実なんだから」


男の人とまともに話したこともないのに、可愛い可愛いって言われたらお世辞でも舞い上がってしまうし、ドキドキが止まらなくなっちゃう。


熱いし…胸が苦しいし…。


私だけ一方的に攻撃されてるみたいで嫌だ。


「遥輝こそ、女性慣れしてるクセに上目遣いくらいで困っちゃうなんて可愛いねっ」


そう反撃してみたけど、フッと不敵に笑っただけでまったく効かなかったみたいだ。


「俺の周りの女は、お前みたいな純粋無垢な女じゃねーから。だからこそ絢みたいな子が可愛く見える」


結局私は遥輝に勝てないみたいだ。


遥輝の方が一枚上手。


でも、そんなところも好きだ。
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