ひと夏のキセキ
「やっぱり遥輝ってモテるの?」


「さぁ。人並み」


絶対人並みじゃない。


モテるんだろうなぁ…。


この際、過去の恋愛のことを聞いちゃおうかな。


遥輝の雰囲気からして、今日はそういう気分みたいだし。


「元カノ何人くらいいるの?」


…さすがに唐突すぎたかな…?


恐る恐る遥輝と目を合わせると、少し面食らったような顔をしていた。


「ごめん、変なこと聞いちゃった」


「まぁ…別に俺はいいけど。聞いても絢に得はないだろ」


「じゃあ多いんだ…」


私に得がないってそういうことだよね。


わかってはいたけどショックだ…。


私とは経験も何もかもが違うんだろうな…。


「あからさまに落ち込みすぎだろ。相変わらず素直だなー」


遥輝がケラケラ笑う。
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