ひと夏のキセキ
え…。


何それ…。


「何でそんなこと言うの?」


まるで私のことも先生のことも責めているように感じ、不審感が募る。


「違う奴に診てもらえばいいのに。そしたら簡単に治るかもな。こんな奴医者じゃねぇもん」


「遥輝!やめてよ!先生はずっと私のことを―」


「俺はコイツを人間として認めない。こんな奴と関わって心を許してるお前も一緒だから」


なに?どういうこと??


意味がわからない。


なんで私も怒られてるの?


遥輝と先生の間に何があったっていうの?


「絢ちゃんは関係ないだろう。家族のゴタゴタにうちの患者を巻き込むんじゃない。そんなに俺が嫌なら帰ればいい」


え?家族?


先生と遥輝が?


「お前みたいな奴が絢の名前を呼ぶな!汚ねぇんだよ!」


遥輝…?


遥輝の拳が震えていることに今になって気づく。


理解が追いつかないよ…。


何がどうなってるの?
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