ひと夏のキセキ
「どうしよっかな〜」


「ホントに言っちゃダメだよ!絶対だからねっ」


遥輝にだけは嫌われたくない。


ずっと仲良くしたい。


だから絶対知られちゃだめだ。


「わかったよ。秘密にしとく」


「よかったぁ」


ニヤニヤしてるから信用できないけど…。


「てか、遥輝の父親って医者だったんだな。どーりで金持ちなわけだ」


「葵も知らなかったんだ」


葵にもお父さんの話をしていないってことは、青涼に入るより前に何かあったのかな。


「アイツが青涼に入ったのが2年前だから、それよりも前のことは知らない。全然自分の話をしたがらない奴だし」


「そっか…。なんで遥輝はあんまり自分の話はしてくれないんだろうね」


今日は少し話してくれたけど、ホントはもっといっぱい聞きたい。
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