ひと夏のキセキ
「そういうところが可愛いんだよなー」


「もうっ、からかわないでよ」


「からかってねーよ」


真面目な顔してそんなこと言わないでよ…。


ドキドキしちゃうじゃん…。


「…は、話戻そう？」


熱くなってきちゃった。


さっきまで気まずかったのが嘘みたいだ。


「何の話してたか忘れたなー」


「もー、嘘つかないでよ」


絶対遥輝の口から先生のことを聞くまで諦めない。


このまま有耶無耶にしてしまったら、私と遥輝も気まずいし、先生と私も気まずくなってしまう。


そんなのは嫌だ。
　　

「………ったく。分かった分かった。話すから」


その思いが通じたのか、遥輝はため息をつきながら頷いてくれた。
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