ひと夏のキセキ
「あっ！！おい、待て！」


扉が勢いよく開く音と、海の大きな声が同時に聞こえたかと思えば、6人組の女の子たちが教室になだれ込んできた。


「部外者は立入禁止だっつってんの！」


葵の制止を聞かず、つかつかとソファ席の私たちへ近づいてくる。


遥輝がサッと立ち上がり私の目の前に立ってくれたおかげで女の子たちの視線から隠れることはできたけど、彼女たちの剣幕が怖い。


「遥輝くんの彼女ってこの子？」


「なんで隠すの？顔ぐらい見せてよ」


ギャルっぽい見た目と話し方だ。


怖い…。


ものすごく敵意を感じる。


「私何度も遥輝くんに告白してるのに、なんで私じゃなくてこんな子なの？意味分かんないんだけど」


「そうよ。絶対ノアの方が可愛いしスタイルも良いじゃない」


中心にいるノアさんって方が遥輝のことを好きなんだ。


周りの女の子たちはノアさんの取り巻きといったところかな。


皆気が強そうで怖いな…。　
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