キミは海の底に沈む【完】

「私たち、小学生からの知り合いなんですか?というか、私って今何歳…」

「今は17歳。11歳の時、凪と会った。凪が引っ越してきて、会ったのが初め」


私は今、17歳らしい。
ということは、いち、に…さん、約6年間、私はこの人と関わっているということになる。


「その頃から仲が良かったんですか?」

「いや、こうして手を繋ぐようになったのは、もうちょいあと」

「あと?」

「うん──…、それまでは、」


それまでは?
少し、言い辛そうにした桜木さんは、私の方を優しく見つめた。


「俺が一方的に、凪のことを嫌ってた」

「え?」

「いい訳になるけど、そんときはまだ子供で、凪のことを理解できてなかった」


理解……。


「ずるい男でごめんな」


そう言われても、あまり理解ができなく。
なにも覚えていない私は、「大丈夫ですよ」としか言えなかった。


「今は凄く大切にしてくれてるんだなぁって、伝わってきますから」
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