激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「しないと思ったか?」
「はい、思いました」
何か面白いことでも言われたように、香椎さんは突然プッと吹き出す。
「ずいぶん正直だな。ちょっとは、『そんなことないです』とかないのかよ」
「え、あ……すみません」
「いや、いい。そういう正直なところはいいと思う」
そんな話をしながら、並んで店内を見て回る。
置いておいてもオシャレな鍋や調理器具、ストッカーなどを手に取りながら選んでいく。
「食器はどうする。好みのものがあればそれで揃えればいいが」
「どれも素敵ですね」
定番の真っ白なシリーズから、くすんだ青や緑系の洋食器。料理が映える黒い食器も気になる。
「香椎さんの好みに合わせます。私はどれも素敵だと思うので」
「そうか。それなら……」
私に任された香椎さんは、サクサクと食器を選んでいく。
どちらか悩むときは私に「こっちとこっちなら?」と好みを訊き、必要な食器類を選別していった。