激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


「なるほど。そのあとの予定は?」

「そのあとは、特にないです」


 そう答えた私に、透哉さんはなぜだか微笑を見せる。


「そうか。それなら、久しぶりにディナーでもどうだ。京香を連れていきたいところがある」


 予期せぬお誘いに「えっ」と言ったまま一瞬静止する。

 特に予定もない寂しい誕生日だと思っていたから、食事の誘いはタイミング的にも非常に嬉しい。


「連れていきたいところですか? どこだろう」

「じゃあ決まりで。時間の変更があったら知らせて」

「わかりました」


 誕生日に急遽できた予定に心が弾む。

 今日は仕事帰りにケーキでも買って、ささやかにお祝いしようと思っていた。

 偶然でもなんでも、嬉しいな……。

 マグカップに口をつけてにやける顔を誤魔化した。

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