激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「私、今日、仕事後で粉塵も浴びているし、暑かったから汗もかいているから」
このまま触れ合うことになりそうな展開を予感して待ったをかける。
でも、透哉さんは関係ないと言わんばかりに私の耳元に唇を近づけた。
「ずっと触れたいと思っていたのを我慢してきた俺に、よくもそんなことが言えるな」
「えっ、だって、汚くて申し訳ないですから」
私の言葉を否定するように、透哉さんは耳珠に口づける。
「汚くなんてない。今すぐ京香が欲しい」
そんな風に耳元で囁かれてしまえば、もうそれ以上拒否する言葉は見つからない。
耳朶に触れた柔らかい唇が首筋をたどり、鎖骨に下りてくる。
背中を支えられて上体を起こされると、後ろにあるワンピースのファスナーが下ろされていった。
「綺麗だ」
腰までワンピースが落ち、素肌に温かな手が触れる。
それだけで体の熱が上がっていき、どうしようもなくて誤魔化すように目の前の透哉さんに抱きついた。
「京香」
ふたりの体が広いベッドへと沈んでいく。
引き寄せ合うように唇を重ね、駆け引きのように触れては離れてを繰り返す。
キスで息が上がった私を解放した透哉さんは、上体を起こしスーツのジャケットを手早く脱ぎ捨てた。
邪魔そうにネクタイの結び目を掴んだ姿に胸がきゅんとする。
早急にシャツを脱いだその逞しい体に、心臓は壊れそうなほど高鳴った。