激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「好きな人ができたと言いますか、そういう感じです」
これなら語弊はない。私が気になる人がいるという一方的な感じにしておけば、追及もそこまで激化してこないと思われる。
「なんだ、片思いなのか」
「はい、まぁ」
曖昧な返事で誤魔化す。
すると今度はそれまで聞き手だった八木沼さんが口を開いた。
「相手の人は、どんな人?」
「どんな、ですか……そうですね、余裕があって聡明な、大人な男性です」
そんな言葉では透哉さんの魅力は表せないけれど、彼のことを考えただけでやっぱり顔がにやけてきてしまう。
「なんだなんだ、絶対いい男じゃねえかよー」
八木沼さんに答えたはずの言葉に丈さんがまた反応してきて、「もうこの話はおしまいです」とハンバーガーを手に取った。