激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
8、すべては運命の元に
「きょんちゃん、いらっしゃい!」
「久しぶり。ごめんね、急に連絡して」
「ううん、全然。私もそろそろ連絡しようと思ってたところだったから。入って入って」
今日から十月。
今日は急遽、菜々恵のマンションに訪れている。
昨日の晩、相談したいことがあるとメッセージを入れると、すぐに【明日会う?】と連絡をくれた。
飛びつくように【お願い!】と返信をし、菜々恵の家にお邪魔する約束になった。
「あれ? 月と詩は?」
「今日はお昼過ぎまで幼稚園に行ってるよー」
「そうなんだ。静かだと思ったら。じゃあ、帰ったらこれ、子どもたちにも」
お土産のケーキを手渡し、改めてリビングを見渡す。いつも子どもたちがいる賑やかな家だから、ふたりがいないとこんなにも静かなのかと変な感じがした。