激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「いつもありがとう。気使わなくていいって言ってるのに。今度からは手ぶらできてね」
菜々恵は「座ってて」と言ってキッチンに入っていく。
お言葉に甘えてソファに腰掛けさせてもらい、小さく「ふう」と息をついた。
「でも、急に相談ってどうしたの?」
キッチンからなんの気なさそうに菜々恵が訊いてきてドキリとする。
「うん……」とつい沈んだ返事をしてしまった私に、菜々恵は小首を傾げた。
「なんかあった?」
ティーセットを手に出てきた菜々恵をソファにかけたまま見上げ、意を決して口を開いた。
「私……妊娠してる」
訪問早々私から出てきた衝撃発言に、菜々恵は数秒固まったように止まっていた。