激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
今までぴったり周期が乱れず毎月きていた生理が、今月始めて遅れた。
すぐにおかしいと思って、ちょうどタイミングよくあった婦人科の検診の際に病院で相談をした。
そのときに調べてもらうと、あっさりその理由が判明した。
『妊娠されていますね』
思ってもみなかった事実を突き付けられ、思わず「何かの間違いでは」と、診てくれた先生に意見してしまった。
でも、間違いなんかではなく、私は妊娠六週に入ったところだと詳細を聞かされた。
妊娠していると言われたところで、まるで他人事のように現実味はなかった。
透哉さんと肉体関係は何度か持ったけれど、避妊は完璧にしていたと記憶している。
それなのに、彼の子を身ごもってしまっているなんて……。
なんの前触れもなく私から妊娠したことを告げられた菜々恵は、何がなんだかわかっていない様子で「え、え」と混乱していた。
当たり前だ。
前回会ったときは透哉さんに偽装婚約者を頼まれて、どちらかといえば愚痴っているような状況だった。
だから、お腹の子の相手がその偽装婚約者を頼んできた人だと知って、更に驚いていた。