激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「誹謗中傷……はい、だと思います」
「具体的に、どのような内容とかありますか。実際の書き込みを見せていただくのが手っ取り早いのですが」
そう言われて、念のためにスクリーンショットをしてきた画像を思い出す。
「はい、あります」
バッグからスマートフォンを取り出し、保存しておいた書き込みの画像を出す。
改めて目にするとやっぱり気分が落ち込む内容で、なぜこんなことを書かれたのか憤りも湧き起こった。
「これなんですけど……」
私にスマートフォンを差し出された弁護士さんは「失礼」とそれを受け取る。
「右にスライドしてもらって、あと二枚画像があります」
切れ長の目が真剣に画像を見つめる。スライドして全てを見て「なるほど」とぽつり呟いた。
「失礼ですが、この、〝施術中にスマホを見に席を外している〟というのは。〝彼氏への連絡か〟などと──」
「事実ではないですっ。そんな、お客様をお待たせしてスマホなんて。第一、そんな相手もいませんから!」
否定をすることに必死で、いらない情報まで口にしていてハッとする。