激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「ここ、ですか?」
「ああ。二階だけど、エレベーターで上がろう」
マンションになんの用だろうと不思議に思いながらエレベーターで二階に上がり、先導する透哉さんに続く。
多くの部屋が並ぶその中の一室の前で足を止め、鍵を取り出しドアを解錠した。
「どうぞ」
「はい。お邪魔します」
不思議に思いながら玄関で靴を脱ぎ、中に上がる。
新しいマンションのため、部屋の中も新しく綺麗な印象がある。
ワンルームタイプなので、玄関から奥に八畳ほどの部屋が広がった。
中は家具や荷物は一切なく、がらんとしている。
透哉さんが鍵を持って管理しているとは、ここは一体……?
「あの、ここは……?」
「京香のために用意した物件だ」
「え?」
「プライベートサロン。間借りは卒業して、ここで心機一転始めてみないか?」
驚く提案をされ、一瞬思考が固まってしまう。
透哉さんの微笑をじっと見つめたまま「プライベート、サロン……」と呟いていた。