激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 次の透哉さんの休日。

 早速、ネイルサロンの引っ越しに取りかかった。

 ディライトから運び出すものは、接客用のデスクとチェア。あとはネイルの機材などで大きくはない。

 引っ越し業者を呼ぶほど大袈裟なものではなく、透哉さんが軽トラックを借りてきて運び出してくれた。

 上京してきてお世話になってきた丈さんには、これまでのお礼を伝え、そして八木沼さんの話にもなった。

 丈さんは、私と八木沼さんを繋げたのは自分だと、今回の件に責任を感じていた。

 出会った場所はここだったけれど、それは丈さんが責任を感じることではないと伝え、お店にはまた食事に訪れると話して頭を下げた。

 透哉さんは私に報告書を見せてくれた後すぐ、先方の弁護士と示談交渉をしてくれた。

 その後、八木沼さん本人からの謝罪文も届き、今回の一件は無事解決した。


「こんな感じでいいか」

「はい。いい感じです。ありがとうございます」


 新しいプライベートサロンに運び入れた荷物を、透哉さんが私の希望通りに配置してくれる。

 今すぐにでも施術を始められるまでに完成して、部屋中の色々な角度に立って新しい自分のサロンを眺めた。

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