激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「幸せになりなさい、京香」
潤子伯母さんの改まった言葉に、ぐっと込み上げるものがある。
「うん、ありがとう」
そう返事をしたとほぼ同時、何か下着が濡れるような感覚を覚えた。更に、お腹に重い痛みを感じ始める。
「ちょっとごめん。少し席外すね」
極力お客様を前にお手洗いには立ちたくないけれど、今や臨月の身で体の状態に常に不安を抱えている。
相手が実乃梨だったことに甘えてお手洗いに入ると、やはりショーツが少し濡れていた。
やだ……漏らしちゃったのかな。
妊娠中は膀胱が圧迫されて、自分の意思に反して漏れてしまうこともあると聞く。
でも、このお腹の重い痛みは初めて感じるもの。
実乃梨を待たせていることもあり、そそくさと部屋に戻っていくと、潤子伯母さんと実乃梨が揃って私を心配そうに見つめた。
「京香、大丈夫? ほんと、今にも生まれそうなお腹だから心配になっちゃって」
大きいお腹を抱えてチェアにかけた私に、潤子伯母さんが気遣いの言葉をかけてくれる。
「ほんと、重そうだね。予定日そろそろだよね?」
「うん、あと五日後かな」
そう答えながら、急にさっきから微かに感じていた痛みが増し始める。