激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「ちょっと、京香大丈夫? 痛いの?」
表情を歪めた私を、潤子伯母さんが椅子を立ち上がり心配そうに近づく。
「なんか……生理痛みたいな、重い痛みみたいなのが」
「え? それ、前駆陣痛とかじゃないの?」
〝陣痛〟なんてフレーズに、こんな状況でもどきりとする。
「うそ……今、なんかちょっと下着が濡れてて」
「えぇ!? それ、破水じゃないの!? どばっと出ない破水もあるわよ?」
実乃梨も「まずくない?」と立ち上がる。
お腹を押さえて椅子に座り込む私の横で、ふたりがあたふたとしだす。
「待って、今、香椎さんに連絡するから! 事務所にいらっしゃるの?」
痛みが増していき、潤子伯母さんの問いかけにこくこくと頷く。
実乃梨が私に寄り添い、「大丈夫?」と声かけをしながら腰をさすってくれている状況に、もしかしたらいよいよ運命のその瞬間が近づいているのかと変な汗を額にかきながら感じていた。
時間にすれば五分とかからなかったと思う。
「京香」
透哉さんの声で耳に届き、ホッと胸に安堵が広がる。
さっきまで少し痛かった程度のものが、だんだん強烈になってきている。