激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「ちなみに、こういった嫌がらせに心当たりは」
「ないです」
私からの即答に、弁護士さんは「わかりました」と答える。
「今回の場合、まずは相手の特定をするために発信者情報開示請求というものをして、相手の特定を行います。評判を下げるような具体的な事実が記載された投稿ですから、開示請求は通るかと」
いよいよ専門的な話になってきて、気遅れしそうになる。
それでも、弁護士さんの淡々とした説明になんとかついていこうと真剣に話を聞く。
「わかりやすく流れを説明すると、この口コミサイトにIPアドレスの開示を求め、それを元に投稿者のプロバイダを特定、住所氏名を開示。その後、相手方に損害賠償請求となります」
「損害賠償請求……」
「流れはざっとこんな感じですが、いかがでしょうか」
「そう、ですね……」
「まずは開示請求ですが、投稿者の特定手続きをうちでは費用五十万円からやっています」
弁護士費用の話になっていき、さらりと出てきた金額に目ん玉が飛び出しそうになる。
ご、五十万から……!?