激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「実乃梨のことなんだけど……」
「実乃梨? 今、どこか行ってるんでしたっけ?」
大神田実乃梨は潤子伯母さんの娘。つまり、私の従姉妹になる。
同じ歳で同じ女子ということもあり、幼い頃は会えば時間中ずっと一緒に遊んでいたくらい仲がよかった。
年齢が上がると共に、あまり会うこともなくなってしまったけれど、潤子伯母さんから実乃梨の近況はたまに聞いている。
大学を出てからは色々な国に語学留学をしていると聞いているけれど、確か最近はオーストラリアのほうに行っているとか言っていた記憶が……。
「少し前に戻ってきたのよ。それで、あの子にお見合いの話があってね」
「お見合い? 実乃梨が?」
「ええ。そうなの」
実乃梨も私と同じ二十七歳。お見合いや結婚などというフレーズが聞こえてきてもおかしな年齢ではない。
それに、会社経営をしている潤子伯母さんの娘だから、様々な縁談が舞い込んでくるのだろう。