激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「そっか、実乃梨お見合いするんだ」
「ええ。でも、ね……」
「でも?」
潤子伯母さんの声が淀む。
良い話をしているはずなのに、表情もどこか嬉しさが窺えない。
「あの子、決まったお見合いを拒否して……」
「え? なんで」
「今度はしばらく韓国のほうに行くとかって。どうしてもやりたいことがあるからって、今朝、置手紙が……」
「え、置手紙って、まさかもう行っちゃったの?」
潤子伯母さんは頷き、「はあ」とあからさまにため息をつく。ワイングラスを手に取った。
「じゃあ、せっかくのお見合いお断りする感じになっちゃったってことですか?」
「それは、できればしたくないのよ。そこでね、京香に折り入っての相談になるのよ」
そこでなぜ私に相談という話になるのかがわからず、小首を傾げる。
潤子伯母さんは私に向かってにこりと微笑んだ。
「明日のお見合いに、代わりに出てもらいたいの。京香に」
「……えっ、私!? しかも、明日!?」