激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 翌日。

 迎えのタクシーが十一時にくると聞き、今日は休日だけど仕事のときと同じくらいの時間に起床した。

 いや、むしろ少し早いくらいの時間だったと思う。

 毎日かかさない朝のカフェオレを淹れ、昨日帰宅後すぐにハンガーにかけておいたワンピーススーツを眺める。

 私自身のお見合いかとツッコミを入れたくなるほど、昨晩はなかなか眠りにつけなかった。

 緊張してではない。私には心配事がふたつある。それをグルグル考えていたからだ。

 ひとつ目は、お見合いなんていう席が初めてて経験がなく、身代わりがちゃんと務まるかということ。

 潤子伯母さんは微笑んで席についていればいいって言っていたけれど、実乃梨の面子を潰さないように粗相はできない。

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