激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 そしてもうひとつは、バレないかという心配。

 実乃梨と私が似ているからといって、絶対にバレないなんて保証はない。

 もしも相手の男性が写真で見た実乃梨を気に入り、穴が開くほど見てきていたのなら、確実に別人だと気づくのではないだろか。

 そんな心配事を抱えながら眠りにつき、朝を迎えた。

 でもとにかく、受けたからには成功させなくてはならない。

 結果、実乃梨の意向で断る縁談だとしても、身代わりでなんてことが相手に知れたら失礼極まりない。

 普段よりも丁寧にメイクをし、髪は私より長いという実乃梨と比べられないようにダウンアップにまとめる。

 渡されているネイビーカラーのワンピーススーツは、ウエストマークされたAラインで、ジャケットはショート丈の上品なデザインだ。

 身支度を整え、時刻はあっという間にタクシーの迎え時間に。

 時間五分前にマンションの下に出ていくと、すでに迎車タクシーが停車していた。

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