激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
3、期間限定の偽婚約者
玄関の扉が開くと、中から「きょんちゃーん!」と賑やかな声に出迎えられる。
「月、詩、久しぶりー!」
両親に似てすでに将来は美男美女になるだろうという、可愛らしい顔の双子の姉弟は今年四歳の誕生日を迎えたばかり。
そのふたりの母である地元からの友人、水瀬菜々恵の家に今日は遊びに訪れている。
「きょんちゃん、いらっしゃい!」
玄関を入り、手に持つお土産の紙袋を菜々恵に差し出す。
「久しぶり。今日はお招きありがとう。やだ、会わないうちにもうこんなにお腹大きいじゃん!」
菜々恵は、現在三人目を妊娠中。重たそうなお腹はもうすぐ妊娠九か月だ。
「わー、ありがとう! そうなの、大分体も重くなってるよ。お土産、なんかずっしりしてる」
菜々恵が紙袋の中を覗くと、月と詩も「見せて見せて!」と菜々恵の足下を囲む。
「私のサロンの近くのパティスリーのプリンアラモードなんだけど、パフェみたいで子どもたちも好きだと思うんだ」
「へぇー、プリンアラモードか。だからこんな重いんだね。絶対この子たち好きだよ」
菜々恵はふたりに「きょんちゃん、プリンのパフェお土産に持ってきてくれたって」と伝える。
月と詩は「わーい!」と喜んで菜々恵から紙袋を受け取り奥へと駆けていく。