激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


「はーい、お昼ご飯にしよう」


 遊び始めて少しした頃、菜々恵から声がかかる。

 ふたりはすぐに「はーい!」と返事をしてダイニングテーブルへと駆けていく。


「ママ、まだつくってるとちゅうだから、そのままでもいい?」

「いいよ。でも、遊び終わったらふたりでお片付けしてね」


 菜々恵から片付けについて許可をもらった詩は、「はーい!」とまた元気に返事をして自分の席につく。


「ママ、みてー! バスつくった!」


 ブロックを手に作ったバスを見せにきた月に、菜々恵は微笑み「見せて」と手を差し出す。

 得意げにそれを手渡した月を、菜々恵は「上手に作ったね、かっこいい」と褒めた。


「じゃあ、壊れないように置いておいで。スパゲッティ食べよう」

「はーい!」


 親子の温かいやり取りを目にほっこりしていると、リビングにスマートフォンの着信音が聞こえてくる。

 短いその音は私のメッセージアプリの通知音で、ダイニングテーブルに向けた足をソファの置かせてもらったバッグへと向かわせた。

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