激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「えっと、服とか、日常使うものを細々と用意していたら、なんか結構な量になってしまって」
「ここに住み始めてから買い足せばいいものも運んできたのか」
「はい。一応」
そんな会話をしながら向かったエレベーターホールには、三基のエレベーターが並ぶ。
「あの、ここって何階建てなんですか?」
「二十二階建て、地下は駐車場で二階まである。俺たちの住まいは十八階。それより上の階はファミリータイプの間取りで、十八階がふたり暮らしには一番いい物件だと言われて決めた」
住まいは十八階だと聞いて、そこからはどんな眺望なのか想像がつかなかった。
でも、かなり遠くまで見渡せる高層階だと言うことは間違いない。
エレベーターが到着し、香椎さんがドアを開けたまま私に先に乗り込むよう促す。
あとから乗り込んだ香椎さんは、どこからともなくカードキーらしきものを手にし、エレベーターの操作盤近くの読み取りにそれをタッチした。
「セキュリティシステムがしっかりしているから、エレベーターもカードキーを使って動かす。自分の住まいの階にしか止まらないつくりだ」
一体何をしているのだろうとその様子を見守っていた私に、香椎さんは丁寧に説明してくれる。
「そうなんですね、すごい……」