岩のような愛を……
その山の中には、大きな岩が一つあった。その岩の隣には男性の背丈と同じくらいの岩がいつからか並び、山道を歩く人の目印となっている。だが、その岩には一つ言い伝えがあった。
「お父さん、この岩お父さんと同じくらいの大きさだね」
山へ山菜取りにやって来た小さな子どもが岩に触ろうとする。その手を素早く隣にいた父親は掴み、「これに触っちゃダメだ!!」と怒った。
「この岩に触ると、悪いことが起こるんだ。だから絶対に触っちゃいけない。これは村の偉い人が決めたことだから、守らなきゃいけないんだ」
子どもにそう言い、父親は手を引いて岩から離れていく。子どもは「悪いこととは何なんだろう?」と思いながら岩の方を振り返った。
苔の生えた岩は、今日もそこにあり続ける。
「鬼ごっこしようぜ!鬼はお前な」
「わかった。絶対に全員捕まえてやるからな!」
日に焼けた肌を持った少年たちが一斉に走る。彼の名前は颯(はやて)。この村で暮らす十歳だ。
「お父さん、この岩お父さんと同じくらいの大きさだね」
山へ山菜取りにやって来た小さな子どもが岩に触ろうとする。その手を素早く隣にいた父親は掴み、「これに触っちゃダメだ!!」と怒った。
「この岩に触ると、悪いことが起こるんだ。だから絶対に触っちゃいけない。これは村の偉い人が決めたことだから、守らなきゃいけないんだ」
子どもにそう言い、父親は手を引いて岩から離れていく。子どもは「悪いこととは何なんだろう?」と思いながら岩の方を振り返った。
苔の生えた岩は、今日もそこにあり続ける。
「鬼ごっこしようぜ!鬼はお前な」
「わかった。絶対に全員捕まえてやるからな!」
日に焼けた肌を持った少年たちが一斉に走る。彼の名前は颯(はやて)。この村で暮らす十歳だ。
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