赤い衝撃

麻耶は、合コンも初めてに近いし

梨恵ほど積極的でもないので

ずっと俯いたまま

メンバーが揃うまで待っていた。

女性は、五人とも席に着いていたけど

男性は、二人しか来てなくて

梨恵達と話をしていた。

「時間だから、飲み物だけでも頼もう」

幹事らしき人が声をかけ

みんなのオーダーを聞いていた。

仕立ての良さそうなスーツがよく似合って

感じの良い人だった。

その人が、カウンターに注文をしに行くと

梨恵が麻耶の耳元で囁いた。

「私、マジでいくから」

そう言って、幹事へ視線を送った。

「頑張って」

「麻耶は、残りの三人に期待してなさい!」

「そうだね」

梨恵は、満面の笑みでウインクをして

自分の席に戻った。

飲み物が運ばれ

乾杯をしようとグラスを持ち上げた時

悪い遅れた、と声がして

その中の一人が幹事に片手を上げた。



< 107 / 119 >

この作品をシェア

pagetop