赤い衝撃
麻耶は、合コンも初めてに近いし
梨恵ほど積極的でもないので
ずっと俯いたまま
メンバーが揃うまで待っていた。
女性は、五人とも席に着いていたけど
男性は、二人しか来てなくて
梨恵達と話をしていた。
「時間だから、飲み物だけでも頼もう」
幹事らしき人が声をかけ
みんなのオーダーを聞いていた。
仕立ての良さそうなスーツがよく似合って
感じの良い人だった。
その人が、カウンターに注文をしに行くと
梨恵が麻耶の耳元で囁いた。
「私、マジでいくから」
そう言って、幹事へ視線を送った。
「頑張って」
「麻耶は、残りの三人に期待してなさい!」
「そうだね」
梨恵は、満面の笑みでウインクをして
自分の席に戻った。
飲み物が運ばれ
乾杯をしようとグラスを持ち上げた時
悪い遅れた、と声がして
その中の一人が幹事に片手を上げた。