赤い衝撃
すると、梨恵が幹事に言い訳をした。
「すいません、この子も人数合わせで
私が無理やり連れて来たんです。
だから、帰らせてあげて下さい!」
幹事は渋々頷いた。
「じゃあ、八人で盛り上がろう!」
『は~い!』
女性達が賛同した。
「麻耶、マサル君追いかけな」
「え?うん」
「なんか、運命感じた」
梨恵は眼を輝かせていた。
麻耶も逸る気持ちを抑えて
みんなに軽くお辞儀をして店を出た。
エレベーターへ行くと
1階のランプが点いていた。
この建物から出ると見失ってしまう。
麻耶は急いで階段を駆け下り通りに出た。
だけど、姿が見えない。
今見つけないと、二度と会えない気がした。
麻耶は恥ずかしさを捨てて
大きな声で叫んだ。
「マサルー!!!」
街行く人の眼なんて気にしてられない。
「マサルー!!!」
コンビニや本屋さんも覗き声をかけた。
「マサルー!!!」
居ない・・・
梨恵、運命じゃなかったのかなぁ・・・
麻耶は、道端に座り込んでしまった。