赤い衝撃
「恥ずかしいだろ」
その声の方を見上げると
マサルが頭を掻きながら笑っていた。
「マサル・・・ごめん」
「変わんねぇなぁ、麻耶は」
「ごめん」
「立てよ」
「ごめん」
麻耶は立ち上がっても、マサルを見れない。
「誤ってばっかだな?」
マサルが、大きな手を麻耶の頭に乗せた。
よく、こうして頭に手を置き
顔を覗き込んで笑ってくれてた。
兄として大好きだった。
麻耶は、あの頃の事を思い出して
涙が溢れていた。
「なんで泣くんだよ?」
「ごめん」
「それしか言えねえのか?」
「ごめん」
「ああ、面倒臭っ!メシは?」
「食べてない」
「だよな!行くぞ!」
マサルは、麻耶の手を引いて歩き出した。