赤い衝撃

近くのファミレスで、食事をする事になった。

「世の中狭いなぁ・・・

 3年ぶりにこの街に来たのに・・・」

「引越したんだよね?」

ああ、と言ってマサルは話だした。

たまたま友達の家に泊まりに来ていて

本当に人数合わせで参加したんだ。

あの時の彼女とは

兄貴の逮捕が原因で別れた。

ニュースとかでもやってたし

顔も出てたから、俺も会社に居られないし

家にもいろんなヤツが押しかけてきて

夜逃げ同然だった。

まあ、実家は古かったから

親も諦めがついてたけど

父親の仕事が見つからないし・・・

地獄だった。

半年くらい経つと、世間も忘れてくれて

周りの眼を気にせず歩けるようになった。

兄貴は、2年で出てきたけど

やはり仕事が見つからなかった。

覚えてる人はいるんだよ。

何処へ逃げても、って自暴自棄になった。

家族も振り回されて大変だったよ。

でも今は、真面目に働いてて

なんとか平和に暮らしてる。



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