赤い衝撃
「おまえ、何やってんだよ!」
龍二は、カメラを取り上げその人達に返し
「すいません。消去して下さい」
「いえ、良かったら送りましょうか?」
その言葉に、マサルは喜びの声を上げ
住所を書いた紙を渡した。
龍二は、マサルの頭を叩き
「ご迷惑になります、結構ですから」
と頭を下げた。
それから、何日かして送られてきたのは
二人の写真と、夕日の写真が入っていた。
龍二が見せてくれたけど
その後、何処にしまったのか知らなかった。
「ずっと持ってたんだ?」
「うん・・・麻耶も兄貴の事?」
「・・・」
「そうだよな!兄弟揃って未練たらしい!」
マサルは笑っていた。
だけど、その笑顔は固かった。
「今のは忘れてくれ!
食おうぜ、冷めちまったけどさぁ。
食後のコーヒーも頼まないと!」
マサルは、慌てて言葉を繋いだけど
麻耶は、ぎこちない笑顔しか出来なかった。