赤い衝撃
玄関の音がして、龍二が入って来たので
麻耶はテレビを消し台所へ向かった。
「コーヒー淹れますね」
「綺麗になったな。ありがとう」
龍二はソファに座り満足そうにしている。
「荷物が少ないので
思ってたよりは早く終わりました」
麻耶は、コーヒーをテーブルの上に置き
ソファには座らず、床に腰を下ろした。
「仕事は辞めたのか?」
「いいえ」
「俺が雇うって言ったよなぁ?」
「このマンションだけかと・・・」
「違う!これからもだ。給料は今の倍出す」
半月居ないし、毎日掃除しなくてもいい訳で
料理は自分がすると言ってたし
他に何をする事があるんだろう。
「そんなにする事ないと思いますけど?」
「そんな事はない。俺が出来ない事を
誰かにして貰わないと駄目だろ?
俺が居ない時は、自由に使っても良いぞ」
「それは出来ないですけど・・・」
「お前の都合に合わせて
やってくれれば良いから?」
「其処まで言うなら・・・・・働きます。
でも、どうして私に声かけたんですか?」