赤い衝撃
第2章 兄妹の契り
毎日、龍二の部屋に行く必要はないので
派遣で働きながら
仕事がない日に龍二の部屋へ行っていた。
昼間に龍二が帰って来る事はないのに
突然玄関の音がした。
麻耶は少し怖くなり、ソファの後ろに隠れた。
「綺麗にしてるなぁ。家政婦さんのお陰か。
本当、殺風景な部屋だなぁ」
彼は、ブツブツ言いながら冷蔵庫を開け
コーラを一気に飲み干した。
彼がゴミ箱を開け、背中を向けた時
麻耶は恐る恐る顔を出して尋ねた。
「あの~、どちら様ですかぁ?」
「何だよ!ビックリするだろっ!」
彼は2~3歩後ずさり、眼を見開いていた。
「すいません。家政婦です」
「ああ、家政婦さんかぁ・・・って
若いなぁ。俺と変わらないだろ?」
「はい。たぶん」
「俺、弟(マサル)で7歳違いの22歳。
現役の大学生だ」
マサルは、無造作に髪をセットして
ラフな格好で、見るからに
大学生って感じの爽やかさを持っていた。