赤い衝撃
今年最後の大掃除!と言っても
龍二のマンションは新築だし
あまり使われてないので綺麗だった。
だけど、家政婦としての仕事なので
普段出来ない所を掃除した。
そして、帰ろうとして思い出した。
龍二は明日出張から帰るので
挨拶も出来ない。
連絡事項は、いつも手紙に書いていたので
そうするしかないかな。
便箋を取り出し、テーブルに座った時
携帯が鳴った。
相手はマサルだった。
「兄貴が今日帰って来るから
マンションで待ってろ、だって」
「明日じゃなかったっけ?」
「年末だから早目に切り上げたらしい。
新幹線も込むしな」
電話を切り、麻耶は買い物に出掛けた。
冷蔵庫を見ると何もないので
鍋でもしようと思いついた。
近くのショッピングモールまで歩く。
龍二とは、この部屋での夕飯は
三回しかないけど、マサルと好みは
一緒なので食材は迷わなかった。